納品書と請求書の突き合わせ完全ガイド|2点照合で過払いを防ぐ方法
発注書がなくても諦めない!納品書と請求書の2点照合(2-way matching)を詳しく解説。手作業での課題とAIによる自動化手法、過払い防止のポイントを紹介。
「発注書?そんなものありませんよ」
経理の教本には「3点照合(発注・納品・請求)が基本」と書いてあります。しかし、現場の実態は…
- 急ぎで電話発注したから記録がない
- LINEで追加注文した
- 現場監督の頭の中にしかない
- そもそも発注書を作る文化がない
そんな状況で、経理担当者が唯一頼れるのは、ダンボールに同梱されていた**「納品書」**だけです。
この記事では、発注書がない環境での現実的な対策として、納品書と請求書の「2点照合」を詳しく解説します。
2点照合(2-way Matching)とは?
基本的な定義
2点照合とは、以下の2つの書類を突き合わせて、内容が一致しているかを確認するプロセスです。
| 書類 | 役割 | 記載内容 |
|---|---|---|
| 納品書 | 何が届いたか | 品目、数量、納品日 |
| 請求書 | いくら請求されたか | 品目、数量、単価、合計金額 |
2点照合の目的
| 目的 | 詳細 |
|---|---|
| 過払い防止 | 届いていないものに払わない |
| 数量相違の検知 | 注文と実際の差を発見 |
| 単価確認 | 契約通りの価格か |
3点照合との違い
| 項目 | 3点照合 | 2点照合 |
|---|---|---|
| 使用書類 | 発注書・納品書・請求書 | 納品書・請求書 |
| 検証できること | 発注内容との一致 | 納品内容との一致 |
| 適用場面 | 正式な発注プロセスがある場合 | 口頭発注・スポット取引 |
| 確認の厳密さ | 高い | 中程度 |
| 導入難易度 | 高い | 低い |
なぜ2点照合が必要なのか?
発注書がない現場の実態
多くの中小企業では、以下のような理由で発注書が存在しません。
理由1:口頭やメッセージでの発注
- 電話で「いつものやつ、50個お願い」
- LINEで「追加で10個」
- FAXで「見積書の通りで」
- メールで「よろしくお願いします」
理由2:発注プロセスの不在
- 正式な購買フローがない
- 承認ルートが決まっていない
- 「とりあえず頼んでおいて」文化
- システム化されていない
理由3:取引慣行
- 長年の付き合いで発注書なしが当たり前
- 「あれとこれ」で通じる関係性
- 業界慣習として書面化しない
理由4:コスト・時間の問題
- 発注書を作る手間がない
- フォーマットが決まっていない
- 急ぎの発注が多い
2点照合 = 「最後の砦」
発注書がない以上、**「何が届いたか(納品書)」と「いくら請求されたか(請求書)」**を突き合わせるしか、過払いを防ぐ術はありません。
2点照合で確認すべきポイント
1. 品目・商品名
| チェック項目 | 詳細 |
|---|---|
| 品名一致 | 納品書と請求書の品名が同じか |
| 品番・型番 | コードが合っているか |
| 類似品混在 | 違う商品が混じっていないか |
注意:納品書は「商品A」、請求書は「品番001」のように表記が異なることがある
2. 数量
| チェック項目 | 詳細 |
|---|---|
| 数量一致 | 納品数量 = 請求数量か |
| 部分納品 | 分納の場合、どこまでが今回か |
| 返品反映 | 返品分が控除されているか |
3. 単価
| チェック項目 | 詳細 |
|---|---|
| 妥当性 | 過去取引と比較して異常はないか |
| 値上げ | 値上げの連絡を受けているか |
| 見積書との整合 | 見積書と一致しているか |
4. 合計金額
| チェック項目 | 詳細 |
|---|---|
| 計算確認 | 数量 × 単価が正しいか |
| 消費税 | 税率・端数処理が正しいか |
| 値引き | 割引が正しく適用されているか |
手作業での2点照合の課題
課題1:媒体の壁
**「納品書は紙、請求書はPDF」**という状況が最も厄介です。
| 書類 | 受領形態 |
|---|---|
| 納品書 | ダンボールに同梱(紙、手書き含む) |
| 請求書 | メール添付(PDF)またはWebダウンロード |
紙をExcelに入力する手間だけで、膨大な時間が奪われます。
課題2:表記揺れ
同じ商品でも、書類によって表記が異なります。
| 納品書 | 請求書 | 実態 |
|---|---|---|
| ネジA 100個 | 部品コード999 ネジA 100個 | 同じ商品 |
| Aセット | 商品コード001 | 同じ商品 |
| 山田様宛 | (株)山田商店 | 同じ取引先 |
| A-001 | A001 | 同じ商品 |
課題3:タイミングのズレ
| ケース | 詳細 |
|---|---|
| 月またぎ | 納品は先月、請求は今月 |
| まとめ請求 | 複数の納品がまとめて請求 |
| 分納 | 1つの発注が複数回に分けて納品 |
課題4:担当者の負担
| 負担 | 影響 |
|---|---|
| 目視確認 | 眼精疲労 |
| 手入力 | 時間がかかる |
| 月末集中 | 残業の原因 |
2点照合を効率化する方法
方法1:Excelでの管理
手順:
- 納品書の内容をExcelに入力
- 請求書の内容もExcelに入力
- VLOOKUPで突合
| メリット | デメリット |
|---|---|
| コストゼロ | 入力の手間 |
| すぐ始められる | 表記揺れに弱い |
方法2:納品書をスキャン + OCR
手順:
- 紙の納品書をスキャンしてPDF化
- OCRでテキスト抽出
- 請求書と突合
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 手入力が減る | OCR精度の問題 |
| 検索可能になる | フォーマットがバラバラだと厳しい |
方法3:AI突合ツール
手順:
- 納品書PDFと請求書PDFをアップロード
- AIが自動で項目を認識・照合
- 差異がある箇所だけ確認
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 表記揺れ対応 | ランニングコスト |
| 設定不要 | — |
Totsugoによる2点照合の自動化
紙とPDFを、AIが「通訳」する
Totsugoは、媒体の壁をAIで突破します。
ステップ1:納品書をスキャンしてPDF化
紙で届いた納品書は、複合機などでスキャンしてPDFにします。 (もちろん、最初からPDFで届いている場合はそのままでOK)
ステップ2:TotsugoにPDFをドラッグ&ドロップ
AIが「品目」と「数量」をデジタルデータとして読み取ります。
ステップ3:請求書と自動マッチング
読み取った納品データは、請求書PDFデータと自動で突き合わせされます。
AIの「意味理解」
| 納品書(手書き) | 請求書(印字) | AIの判定 |
|---|---|---|
| ネジA 100個 | 部品コード999 ネジA 100個 | ✅ 一致 |
| Aセット×10 | 商品コード001 10ヶ | ✅ 一致 |
| スクリュー 50 | ネジ類 50個 | ⚠️ 要確認 |
一見違うように見えても、AIは「これらは同じだ」と判断します。
2点照合で過払いを防ぐチェックリスト
月末の確認項目
- 納品書の数量と請求書の数量は一致しているか?
- 未納品の商品が請求されていないか?
- 返品分がきちんと控除されているか?
- 単価は見積もりや過去取引と整合しているか?
- 複数の納品がまとめて請求されている場合、漏れはないか?
- 消費税の計算は正しいか?
- 値引きは正しく適用されているか?
よくある質問
Q. 発注書がない状況を改善すべきでは?
A. 理想的にはそうですが、現実には時間がかかります。まずは2点照合で最低限のチェックを行い、並行して発注フローの整備を検討しましょう。
Q. 手書きの納品書でもAIは読める?
A. AI-OCRは手書き文字にも対応していますが、精度は印字より落ちます。
Q. 2点照合で完璧に過払いは防げる?
A. 発注内容との照合ができないため、100%ではありません。しかし、何もしないよりはるかに安全です。
Q. 納品書と請求書の突合頻度は?
A. 理想は納品書到着時にすぐ確認することです。少なくとも週1回は実施しましょう。
Q. 複数の納品書を1つの請求書と照合できる?
A. はい。AIは合算も自動で認識して照合します。
Q. 導入にどのくらい時間がかかる?
A. 即日利用可能です。アカウント作成からファイルのアップロードまで、10分程度で完了します。
まとめ:理想を追わず、現実を守る
完璧な3点照合システムを導入するのに1年かけるより、まずは目の前の納品書チェックをAI化しませんか?
「届いていないものには払わない」
この当たり前を、Totsugoが最低限の労力で実現します。
Before vs After
| 従来 | Totsugo導入後 |
|---|---|
| 納品書を手入力 | PDFをアップロードするだけ |
| Excelで目視突合 | AIが自動照合 |
| 差異を一つずつ確認 | 差異箇所だけハイライト |
| 月末に残業 | 定時で帰れる |