帳簿転記を自動化する方法|AIで仕訳作成まで完結
帳簿への転記作業を自動化する方法を解説。領収書・請求書からfreee・マネーフォワードへの仕訳作成をAIで効率化。勘定科目の自動判定も紹介。
毎月の締め日、経理担当者のデスクには領収書の山と、開かれたままのExcel、そして会計ソフトの画面。
左(領収書)を見て、右(会計ソフト)に入力する。
その単純作業の繰り返しに、絶望していませんか?
この記事では、帳簿転記の基本から、AIによる自動化まで詳しく解説します。
帳簿転記とは?
定義
帳簿転記とは、伝票や証憑(領収書・請求書など)の内容を、帳簿(会計ソフト)に入力する作業です。
帳簿転記:証憑データを仕訳として会計帳簿に記録すること
簿記における転記の位置づけ
証憑(領収書・請求書)
↓ 内容を確認
仕訳帳に記入
↓ 転記
総勘定元帳に記入
↓ 集計
試算表・財務諸表
帳簿転記の具体的な作業
| ステップ | 作業内容 |
|---|---|
| 1. 証憑確認 | 領収書・請求書の内容を読む |
| 2. 勘定科目判断 | 何費で処理するか判断 |
| 3. 仕訳作成 | 借方・貸方を決定 |
| 4. 入力 | 会計ソフトに入力 |
| 5. 確認 | 入力内容を確認 |
なぜ「転記」はなくならないのか?
クラウド会計ソフト(freeeやマネーフォワード)の登場で、銀行明細やクレジットカード明細は自動取り込みが可能になりました。
しかし、現場にはまだ「つながらないデータ」があふれています。
| データの種類 | 自動取り込み | 現状 |
|---|---|---|
| 銀行明細 | ✅ 対応 | 自動仕訳 |
| クレジットカード | ✅ 対応 | 自動仕訳 |
| 紙の領収書 | ❌ 非対応 | 手入力 |
| Excelの支払通知書 | ❌ 非対応 | 手入力 |
| 現金出納帳 | ❌ 非対応 | 手入力 |
| 取引先からのPDF請求書 | △ 一部対応 | OCR→確認 |
自動取り込みできない理由
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| API連携がない | 取引先システムとつながっていない |
| データ形式がバラバラ | 各社で請求書フォーマットが異なる |
| 紙で届く | デジタル化されていない |
| 歴史的経緯 | 「昔からこうやっている」 |
帳簿転記の5つの課題
課題1:時間がかかる
| 項目 | 目安時間 |
|---|---|
| 領収書1枚 | 1〜2分 |
| 請求書1枚 | 2〜3分 |
| 月100枚 | 約3〜5時間 |
| 複雑な仕訳 | +α |
| 確認・修正 | +α |
課題2:勘定科目の判断が難しい
- 「タクシー代」は旅費交通費?接待交通費?
- 「Amazon購入」は消耗品費?事務用品費?
- 「Zoom年額払い」は通信費?支払手数料?
- 会社ごとのルールを覚える必要がある
| 購入内容 | 判断に迷う科目 |
|---|---|
| 取引先への贈り物 | 接待交際費 or 広告宣伝費 |
| 社員への軽食 | 福利厚生費 or 会議費 |
| PC周辺機器 | 消耗品費 or 備品 |
課題3:ミスが起きやすい
| ミスの種類 | 影響 |
|---|---|
| 金額の桁間違い | 試算表のズレ |
| 借方・貸方の逆転 | 決算書の誤り |
| 日付の間違い | 期ズレ |
| 勘定科目間違い | 損益計算書の誤り |
| 二重入力 | 費用の過大計上 |
課題4:属人化
「この取引はこう処理する」というルールが、担当者の頭の中にしかない。
| リスク | 影響 |
|---|---|
| 担当者退職 | 業務が止まる |
| 長期休暇 | 代わりがいない |
| 引き継ぎ | 時間がかかる |
課題5:月末に集中
| 週 | 作業量 |
|---|---|
| 1週目 | 少ない |
| 2週目 | 少ない |
| 3週目 | 増加 |
| 4週目・月末 | ピーク |
| 翌月初 | 残りの処理 |
残業の原因に。
既存の自動化ツールの限界
RPA(ロボット自動化)
- シナリオ作成が難しい
- 画面レイアウトが変わると止まる
- メンテナンス地獄
- 高コスト
Excelマクロ
- 前任者が作った謎のマクロが動かない
- 誰も直せない
- Excelのバージョンアップで破綻
- フォーマット変更で破綻
BPO(外注)
- コストが高い
- 月次の試算表が遅くなる
- コミュニケーションコスト
- 機密情報の管理
AI-OCR
- 読み取りはできる
- でも仕訳作成は人間
- 結局確認が必要
- 「読み取りミス」の修正が大変
AIによる帳簿転記の自動化
Totsugoの仕組み
Totsugoは、会計ソフトそのものではありません。「バラバラのデータ」を「会計ソフトが読める形」に変換する翻訳エージェントです。
証憑(PDF・Excel)
↓ アップロード
Totsugo(AI処理)
↓ 仕訳提案
あなた(確認・承認)
↓ Enterキー
freee / マネーフォワード
特徴1:マスタ設定不要の「意味」理解
従来のツールは「A列の値を借方金額にする」といった厳密な定義が必要でした。
TotsugoのAIは、人間のようにファイルを見ます。
| 従来ツール | Totsugo |
|---|---|
| 列の指定が必要 | 自動判定 |
| ヘッダー行が必須 | なくてもOK |
| 固定フォーマット | 柔軟に対応 |
| フォーマット変更で破綻 | 自動適応 |
特徴2:勘定科目の「ゆらぎ」を吸収
「タクシー代」「交通費」「移動費」…
表記がバラバラでも、Totsugoはすべて適切な勘定科目として認識します。
| 証憑の表記 | 判定される勘定科目 |
|---|---|
| タクシー代 | 旅費交通費 |
| 交通費 | 旅費交通費 |
| 移動費 | 旅費交通費 |
| 消耗品購入 | 消耗品費 |
| 事務用品 | 消耗品費 |
| Zoom利用料 | 通信費 |
| 接待飲食 | 接待交際費 |
しかも、過去の仕訳データから「この会社はこのルールで処理する」と自動学習します。
特徴3:freee・マネーフォワードへの直接出力
Enterキーを連打して承認が終わったら、ボタン一つで:
- freeeインポート用CSV出力
- マネーフォワードインポート用CSV出力
- API連携でワンクリック送信(freee対応)
導入効果の試算
Before:手入力
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 月間証憑数 | 100件 |
| 1件あたり時間 | 2分 |
| 月間合計 | 約3時間 |
| タイピングミス | たまに発生 |
| 勘定科目間違い | 月1〜2件 |
After:AI転記
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| アップロード | 3分 |
| AI処理待ち | 数分 |
| 確認・承認 | 10分 |
| 月間合計 | 約15分 |
| タイピングミス | ゼロ |
| 勘定科目間違い | ほぼゼロ |
90%の時短、かつミスもほぼゼロ。
使い方の流れ
ステップ1:ファイルをアップロード
Excelファイル(支払一覧など)やPDF(請求書など)をTotsugoにドラッグ&ドロップ。
ステップ2:AIが仕訳を提案
AIが自動で:
- 日付を認識
- 金額を認識
- 取引先を認識
- 勘定科目を判定
- 仕訳データを作成
ステップ3:確認して承認
AIが「自信がないもの」だけ確認。問題なければEnterで承認。
ステップ4:会計ソフトへ出力
freeeやマネーフォワード用のCSVを出力、またはAPI連携で送信。
よくある質問
Q. どんなフォーマットに対応している?
A. PDF、Excelに対応しています。レイアウトは問いません。
Q. 勘定科目のルールは設定できる?
A. 使い始めは一般的なルールを適用し、使いながら学習していきます。
Q. 既存の会計ソフトと併用できる?
A. はい。Totsugoは「入力」を自動化するツールであり、会計ソフトを置き換えるものではありません。
まとめ
| 項目 | 手入力 | AI転記 |
|---|---|---|
| 時間 | 長い | 短い |
| ミス | 起きる | 起きない |
| 勘定科目判断 | 人間 | AI |
| 属人化 | しやすい | しにくい |
| 学習 | — | 使うほど賢くなる |
経理の本来の仕事は、数字を入力することではなく、数字から会社の状態を把握し、経営に役立てることです。
「帳簿への転記」という作業は、今日で卒業しましょう。