月次突合(月次決算)完全ガイド|締め作業を半日で終わらせる方法
月次決算に時間がかかる原因は「突合」。データの形式バラバラ、表記揺れ、不一致の原因究明...これらをAIで解決し、締め作業を劇的に効率化する方法を解説。
「また今月も、月次決算で数字が合わない…」
経理担当者であれば、一度は経験したことがある月末のプレッシャー。
その時間の多くは、実は**「異なるデータの突き合わせ(突合)」**に費やされています。
この記事では、月次決算における突合の基本から、AIを活用した効率化まで詳しく解説します。
月次決算における「突合」とは?
定義
月次決算における突合とは、期間中の取引データを複数のソースから照らし合わせ、整合性を確認する作業です。
月次突合:当月の取引記録と各種データソースを比較し、差異を発見・解消するプロセス
なぜ月次決算に突合が必要か
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| 正確性の担保 | 記録と実態の一致確認 |
| 異常の早期発見 | 不正や誤りの検出 |
| 経営判断の基礎 | 正確な数字での意思決定 |
| 税務リスク回避 | 適正な申告のため |
月次決算で行う突合の種類
1. 銀行突合(銀行勘定調整)
会社の帳簿残高と銀行の通帳残高を比較。
| 項目 | 帳簿 | 通帳 | 差異 |
|---|---|---|---|
| 月末残高 | ¥5,123,456 | ¥5,122,906 | ¥550 |
よくある差異の原因:
- 振込手数料の未計上
- 翌月入金の前倒し計上
- 小切手の未決済
- 自動引落の未計上
2. 売掛金突合(債権照合)
請求データと入金データを比較。
| 請求 | 入金 | 判定 |
|---|---|---|
| ¥100,000(A社) | ¥100,000 | ✅ 消込 |
| ¥50,000(B社) | — | ❓ 未入金 |
| ¥30,000(C社) | ¥29,450 | ⚠️ 手数料差引 |
3. 買掛金突合(債務照合)
発注データと請求データを比較。
| 発注 | 請求 | 判定 |
|---|---|---|
| ¥80,000 | ¥80,000 | ✅ 一致 |
| ¥50,000 | ¥55,000 | ❌ 差異あり |
4. 在庫突合(棚卸照合)
システム上の在庫数と実地棚卸の結果を比較。
| 商品 | システム | 実地 | 差異 |
|---|---|---|---|
| 商品A | 100個 | 98個 | -2個 |
| 商品B | 50個 | 50個 | 0 |
5. 経費突合(カード照合)
経費精算データとクレジットカード明細を比較。
| 精算申請 | カード明細 | 判定 |
|---|---|---|
| ¥5,000(交通費) | ¥5,000 | ✅ |
| — | ¥3,000 | ❓ 未申請 |
月次決算が「終わらない」5つの原因
原因1:データの形式がバラバラ
銀行明細、クレジットカードのCSV、受発注システムのデータ、そして自社の会計ソフト。
| データソース | 形式 | 日付形式 | 金額形式 |
|---|---|---|---|
| 銀行 | CSV | 2026/1/15 | 1,000,000 |
| クレジットカード | 2026年1月15日 | ¥1,000,000 | |
| 受発注システム | Excel | 20260115 | 1000000 |
| 会計ソフト | 独自 | R8.1.15 | 1,000,000円 |
それぞれのフォーマットが異なるため、Excelで加工(前処理)するだけで1時間以上経過することも。
原因2:「表記揺れ」が不一致を生む
| データA | データB | 人間の判断 | システムの判断 |
|---|---|---|---|
| (株)ABC | 株式会社ABC | 同じ | 別物 |
| ヤマダタロウ | 山田太郎 | 同じ | 別物 |
| 10,000 | 10000 | 同じ | 別物 |
「表記揺れ」によるエラーを修正する作業が、集中力を削いでいきます。
原因3:「不一致の原因」が不明確
- 「金額は合っているのに、件数が1件足りない」
- 「総額は合っているのに、明細が10円ずつズレている」
- 「請求書が見つからない」
このパズルを解く作業こそが、月次を遅らせる最大の要因です。
原因4:担当者の属人化
「この取引先はこう処理する」というルールが、担当者の頭の中にしかない。
原因5:月末に作業が集中
日次・週次で処理できれば分散できるのに、結局月末にまとめて処理。
月次突合の基本手順
ステップ1:データの収集
各システムからデータを出力。
| システム | 出力形式 | 頻度 | 担当 |
|---|---|---|---|
| 銀行 | CSV | 毎日〜週1 | 経理 |
| 会計ソフト | CSV | 月末 | 経理 |
| 受発注システム | CSV/API | 月末 | 営業事務 |
| カード会社 | PDF/CSV | 月末 | 経理 |
ステップ2:データの前処理
形式を揃える作業。
| 作業 | 使用関数/ツール |
|---|---|
| 日付形式の統一 | TEXT関数 |
| 金額形式の統一 | VALUE、SUBSTITUTE |
| 全角半角の統一 | ASC関数 |
| スペースの削除 | TRIM関数 |
ステップ3:突合の実行
VLOOKUPやピボットテーブルで照合。
ステップ4:差異の調査
不一致の原因を特定。
| よくある原因 | 対処法 | 頻度 |
|---|---|---|
| タイミングズレ | 翌月に持ち越し | 高い |
| 手数料未計上 | 追加仕訳 | 高い |
| 入力ミス | 修正仕訳 | 中程度 |
| 二重計上 | 取消仕訳 | 低い |
| 請求漏れ | 追加請求 | 低い |
ステップ5:調整仕訳
差異の原因に応じた仕訳を作成。
| 原因 | 仕訳例 |
|---|---|
| 振込手数料 | 支払手数料 / 普通預金 |
| 未収入金 | 未収入金 / 売上 |
| 棚卸減耗 | 棚卸減耗損 / 棚卸資産 |
従来の月次突合 vs AI時代の月次突合
| 項目 | 従来(Excel) | 次世代(AI) |
|---|---|---|
| 開始準備 | データの名寄せ・加工が必要 | そのままアップロード |
| マッチング | 完全一致(VLOOKUP)のみ | 「意味」による自動マッチング |
| 表記揺れ | 手動で一つずつ直す | AIが文脈で自動判定 |
| 不一致の特定 | 目視で差異を一行ずつチェック | AIが「不一致の理由」を推測 |
| 締めスピード | 数日〜1週間 | 半日〜1日 |
| 属人化 | 高い | 低い |
Totsugoによる月次突合の効率化
機能1:CSVを2枚投げるだけ
受発注システムの受注データと、会計ソフトの取引明細。そのままTotsugoにドラッグ&ドロップ。
AIが自動的に:
- 項目を推定(日付、金額、取引先名など)
- キーを特定(どの列で突合するか)
- 突合を実行
機能2:不一致の理由を教えてくれる
AIが過去のパターンから解決策を提案。
「この振込は、請求明細3件の合計値です」
「振込手数料分の差異(550円)の可能性があります」
「前月の未入金が今月入金されています」
あなたは自分で悩む必要がありません。
機能3:「確認」から「承認」へ
AIが「一致」と判断したものは、Enterキーを連打して承認。
残り件数がカウントダウン形式で減っていくUIは、辛い作業を「消化する快感」に変えます。
月次突合の効率化Tips
Tip 1:日次で少しずつ進める
月末に一気にやらず、日次で銀行突合だけは終わらせておく。
| 頻度 | 突合作業 |
|---|---|
| 毎日 | 銀行突合(入出金チェック) |
| 週次 | クレジットカード突合 |
| 月次 | 売掛・買掛突合 |
Tip 2:パターンを蓄積する
「この取引先はこういう形式で請求してくる」というパターンをメモ。
| 取引先 | 特徴 |
|---|---|
| A社 | 月末締め翌月末払い、手数料先方負担 |
| B社 | 都度請求、手数料当社負担 |
| C社 | 複数請求をまとめて振込 |
Tip 3:自動化できるところから自動化
銀行明細の自動取り込みは必須。クレジットカードも連携。
| 連携 | 効果 |
|---|---|
| 銀行API | 手入力ゼロ |
| カードCSV取込 | 転記不要 |
| 経費精算アプリ | レシート入力不要 |
導入効果の試算
Before:手作業
| 項目 | 時間 |
|---|---|
| データ収集 | 1時間 |
| 前処理(フォーマット統一) | 2時間 |
| 突合(VLOOKUP) | 3時間 |
| 差異調査 | 2時間 |
| 調整仕訳 | 1時間 |
| 合計 | 9時間 |
After:AI活用
| 項目 | 時間 |
|---|---|
| アップロード | 10分 |
| AI処理 | 5分 |
| 確認・承認 | 30分 |
| 例外処理 | 30分 |
| 調整仕訳 | 30分 |
| 合計 | 約2時間 |
約75%の時間削減。
よくある質問
Q. 月次決算はいつまでに終わらせるべき?
A. 一般的には翌月10営業日以内が目標。早い企業では5営業日以内。
Q. 差異が解消できない場合は?
A. 少額(数百円程度)であれば「雑損失」「雑収入」で処理することもあります。ただし、継続的に発生する場合は原因究明が必要です。
Q. 税務調査で突合の記録は必要?
A. 銀行勘定調整表などは保存が推奨されます。
まとめ
月次決算の課題と解決
| 課題 | 従来の対応 | AI活用後 |
|---|---|---|
| 形式バラバラ | 手動で加工 | そのまま投入 |
| 表記揺れ | 手動で修正 | 自動吸収 |
| 原因不明 | 延々と調査 | AIが推測 |
月次突合の種類
| 種類 | 比較対象 |
|---|---|
| 銀行突合 | 帳簿 ↔ 通帳 |
| 売掛金突合 | 請求 ↔ 入金 |
| 買掛金突合 | 発注 ↔ 請求 |
| 在庫突合 | システム ↔ 実地 |
| 経費突合 | 精算 ↔ カード明細 |
月次決算は、会社の健康状態を把握するために不可欠なプロセスです。しかし、その本質は「過去の整理」。
単純なパズルである「突合」はAIに任せて、貴重な時間を価値ある業務にシフトしませんか?