「照合」と「突合」の違いとは?意味・使い分けを徹底解説
経理・監査で使われる「照合」と「突合」の違いを徹底解説。1対1の正誤確認と、n対nの差異分析の違い、具体例、そしてAIによる自動化まで詳しく紹介。
「照合と突合って、同じ意味じゃないの?」 「どっちを使えばいいかわからない…」
経理や監査の現場でよく耳にする「照合」と「突合」。一見似ていますが、解決すべき課題の深さが異なります。
この記事では、「照合」と「突合」の違いを明確にし、実務での正しい使い分けを解説します。
照合(しょうごう)とは?
基本的な定義
照合とは、基準となるデータと対象データが一致しているかを確認する作業です。
照合:2つのものを照らし合わせて、正誤を確認すること
特徴
- 1対1の比較:AとBを比べてYES/NOを判定
- 正誤判定:「合っている」か「間違っている」か
- 単純な作業:複雑な分析は不要
- 明確な答え:一致か不一致のどちらか
具体例
| 照合の種類 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| 印鑑照合 | 届出印と押印が一致しているか | ○/× |
| 本人確認 | 身分証明書と申請者が一致しているか | ○/× |
| パスワード照合 | 入力値とDB登録値が一致しているか | ○/× |
| 金額照合 | 領収書の金額と経費申請額が一致しているか | ○/× |
| 署名照合 | 登録署名と書類上の署名が一致しているか | ○/× |
照合の流れ
基準データ(正解)
↓ 比較
対象データ
↓ 判定
一致 or 不一致
照合の英語表現
| 日本語 | 英語 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 照合 | Verification | 正誤確認 |
| 照合 | Cross-check | 相互確認 |
| 照合 | Validation | 妥当性確認 |
突合(とつごう)とは?
基本的な定義
突合とは、複数のデータセットを突き合わせて、食い違い(差異)を見つけ出す作業です。
突合:複数のデータを突き合わせ、対応関係や差異を分析すること
特徴
- n対nの比較:100件 vs 98件など、数が違うこともある
- 差異分析:「どこが違うか」「なぜ違うか」を探る
- パズル要素:「どれとどれが対応するか」を探す
- 原因究明:差異の理由まで追求
具体例
| 突合の種類 | 内容 | 複雑さ |
|---|---|---|
| 請求書突合 | 請求書100枚と発注書98件を突き合わせ | 高 |
| 銀行勘定突合 | 帳簿残高と通帳残高の差異を分析 | 中 |
| 在庫突合 | システム在庫と実地棚卸の差異を調査 | 高 |
| 売掛金突合 | 請求データと入金データのマッチング | 高 |
| 買掛金突合 | 発注データと請求データの照合 | 中 |
突合の流れ
データセットA(例:請求書100件)
↓ 突き合わせ
データセットB(例:発注書98件)
↓ 分析
一致:96件
不一致:4件(請求のみ)
不一致:2件(発注のみ)
↓ 原因究明
なぜ差異が生じたか?
突合の英語表現
| 日本語 | 英語 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 突合 | Reconciliation | 差異解消を含む |
| 突合 | Matching | データの紐づけ |
| 突合 | Comparison | 比較 |
照合と突合の決定的な違い
比較表
| 項目 | 照合(しょうごう) | 突合(とつごう) |
|---|---|---|
| 比較対象 | 1対1 | n対n |
| 目的 | 正誤確認 | 差異発見・分析 |
| 結果 | YES/NO | 一致/不一致 + 原因 |
| 複雑さ | 単純 | 複雑 |
| 作業時間 | 短い | 長い |
| 英語 | Verification | Reconciliation |
| 自動化難易度 | 低い | 高い |
イメージで理解する
照合 = 「この答えは正しいですか?」(◯/✕)
突合 = 「どこが違いますか?なぜ違いますか?」(探索+分析)
具体例で比較
照合の例:
- 「このパスワードは正しいですか?」→ YES/NO
- 「この印鑑は登録と同じですか?」→ YES/NO
- 「請求金額は10万円で合っていますか?」→ YES/NO
突合の例:
- 「請求書100件と発注書98件、どれがマッチしていますか?」→ 分析
- 「帳簿残高と通帳残高が550円ズレています。原因は?」→ 調査
- 「入金100件と請求書110件、未入金はどれですか?」→ 特定
なぜ「突合」は人間には荷が重いのか
多くの企業では、突合を**「人の目」によるダブルチェック**で解決しようとしています。しかし、ここには構造的な限界があります。
限界1:人間の注意力には限界がある
照合なら10分で終わりますが、数百件の突合は数時間かかります。
| 経過時間 | 注意力 | ミス発生率 |
|---|---|---|
| 0〜30分 | 高い | 低い |
| 30分〜1時間 | やや低下 | 上昇 |
| 1時間〜2時間 | 低下 | 高い |
| 2時間以上 | 大幅低下 | 非常に高い |
- 開始1時間後と5時間後では、注意力は劇的に低下
- 「見ているはずが見えていない」状態が発生
- 疲労によるミスが増加
限界2:パズルの複雑さ
A社の請求書(¥100,000)に対し、自社の発注データが2件(¥40,000 + ¥60,000)に分かれている場合:
- 人間がこれを見つけるには、記憶と勘に頼る必要がある
- 件数が増えると、組み合わせが爆発的に増加
- 計算機を叩きながらの作業は非効率
組み合わせの爆発:
| 請求書数 | 発注書数 | 組み合わせ数 |
|---|---|---|
| 10件 | 10件 | 100通り |
| 100件 | 100件 | 10,000通り |
| 1,000件 | 1,000件 | 1,000,000通り |
限界3:表記揺れ
同じ取引でも、書類によって表記が異なる。
| 請求書 | 発注書 | 人間の判断 |
|---|---|---|
| 株式会社ABC | (株)ABC | 同じ |
| ¥100,000 | 100,000円 | 同じ |
| 2026/01/23 | R8.1.23 | 同じ |
| ABC Corp | ABC Corporation | 同じ |
人間は「同じ」と判断できるが、それを確認する手間がかかる。
AIを使った突合の自動化
なぜAIなら突合ができるのか?
最新のAIは、人間のように疲れず、かつ人間のような柔軟な判断が可能です。
| 項目 | 人間 | AI |
|---|---|---|
| 疲労 | 時間とともに低下 | 常に一定 |
| 速度 | 1件数分 | 1件数秒 |
| 精度 | 後半で低下 | 常に一定 |
| 表記揺れ対応 | 経験と勘 | 学習済み |
| 組み合わせ計算 | 限界あり | 瞬時に計算 |
| 24時間対応 | 不可能 | 可能 |
Totsugoの突合機能
1. 疲れないダブルチェック担当者
AIは1件目も10,000件目も、同じ精度でチェックし続けます。
2. 1対nのマッチングも自動解決
「請求書1枚に対して、発注データが3件」といった複雑な組み合わせも、AIなら総当たりで瞬時に計算し、最適な組み合わせを提案。
3. 表記揺れの自動吸収
| データA | データB | AIの判定 |
|---|---|---|
| 株式会社ABC | (株)ABC | ✅ 一致 |
| ¥100,000 | 100,000円 | ✅ 一致 |
| ABC Corp | ABC Corporation | ✅ 一致 |
実務での使い分け
「照合」を使う場面
- 「この請求書の金額は見積もりと照合してください」
- 「パスワードを照合する」
- 「印鑑を照合する」
- 「署名を照合する」
- 「本人確認書類を照合する」
「突合」を使う場面
- 「請求書と発注書を突合して、差異を報告してください」
- 「銀行勘定を突合する」
- 「在庫データを突合する」
- 「売掛金と入金を突合する」
- 「月次決算のため、各帳簿を突合する」
迷ったときの判断基準
| 質問 | 答え | 使う言葉 |
|---|---|---|
| 1対1の比較? | YES | 照合 |
| 複数データの比較? | YES | 突合 |
| YES/NOで答えが出る? | YES | 照合 |
| 差異の原因を探る? | YES | 突合 |
| 一瞬で終わる? | YES | 照合 |
| 時間がかかる? | YES | 突合 |
よくある質問
Q. 「照合」と「突合」は同じ意味で使っていいですか?
A. 日常会話では同じ意味で使われることもありますが、厳密には異なります。フォーマルな場面では使い分けることをおすすめします。
Q. 英語ではどう使い分けますか?
A. 照合は「Verification」、突合は「Reconciliation」が一般的です。
Q. 「突合」の読み方は?
A. 「とつごう」と読みます。「つきあわせ」も間違いではありませんが、ビジネスでは「とつごう」が一般的です。
まとめ
照合と突合の違い
| 用語 | 特徴 | 手作業での限界 | AIでの解決策 |
|---|---|---|---|
| 照合 | 1対1確認 | 単純ミスのみ | ルールベースで自動化 |
| 突合 | 複数比較 | 脳の疲労、パズル難解 | 疲れ知らずのAIが分析 |
使い分けのポイント
| 場面 | 使う言葉 |
|---|---|
| 1対1で正誤を確認 | 照合 |
| 複数データから差異を発見 | 突合 |
| パスワード、印鑑、署名 | 照合 |
| 請求書、発注書、帳簿 | 突合 |
もう、人間が目を充血させて突合する必要はありません。複雑なパズルはAIに任せ、人間は最終確認だけを行う時代です。