突合とは?意味・読み方・照合との違いを5分で理解【経理向け】
「突合(とつごう)」の意味と正しい読み方を解説。照合・消込・名寄せとの違い、経理・監査・医療での具体的な使い方、効率化の方法まで網羅。
「突合って、なんて読むの?」
経理部門に配属されたばかりの新人や、初めて監査対応をする方から、よく聞かれる質問です。「とつごう」「つきあい」「とっこう」…どれが正解かわかりますか?
この記事では、「突合」の正しい読み方から、経理・監査での具体的な使い方、そして効率化の方法まで徹底解説します。
突合とは?
基本的な定義
突合(とつごう) とは、複数のデータや書類を突き合わせて、内容が一致しているかを確認する作業のことです。
「突き合わせ」を漢字一語にした表現で、主に経理・監査・医療などの専門分野で使われます。
突合:複数の記録を比較し、事実や記録が一致しているかを検証すること
突合の読み方
正しい読み方は「とつごう」
突合は「とつごう」と読みます。
| 読み方 | 正誤 | 備考 | 使用頻度 |
|---|---|---|---|
| とつごう | ✅ 正しい | 経理・監査業界の標準 | 高 |
| つきあわせ | △ | 「突き合わせ」の読み | 中 |
| とっこう | ❌ 誤り | 低 | |
| つきあい | ❌ 誤り | 低 |
「突」の字は、音読みで「とつ」、訓読みで「つく」と読みます。「突合」では音読みの「とつ」を使います。
「突き合わせ」との関係
「突合」は「突き合わせ」を漢熟語にした表現です。
| 表記 | 読み方 | 使用場面 | フォーマル度 |
|---|---|---|---|
| 突き合わせ | つきあわせ | 日常会話、社内チャット | 低 |
| 突合 | とつごう | 公式文書、監査報告書 | 高 |
意味は同じですが、「突合」のほうがフォーマルな印象を与えます。監査報告書や内部統制文書では「突合」が使われることが多いです。
突合の語源と成り立ち
「突合」は以下の2つの漢字から成り立っています。
- 突:突く、突き出す
- 合:合わせる、照らし合わせる
文字通り「(2つのものを)突き合わせる」という意味です。
突合と照合の違い
「突合」と混同しやすいのが「照合(しょうごう)」です。似ていますが、ニュアンスが異なります。
定義の違い
| 用語 | 意味 | 特徴 | 作業内容 |
|---|---|---|---|
| 照合 | 基準と比較して正しいかを確認 | 1対1、正誤判定 | Yes/No判定 |
| 突合 | 複数データを比較して差異を発見 | 多対多、分析が必要 | 差異分析 |
具体例
照合の例:
- 印鑑照合(登録印と押印の一致確認)
- 本人確認(身分証明書と申請者の照合)
- パスワード照合(入力値とDB値の一致確認)
突合の例:
- 請求書と発注書の突き合わせ(金額・数量・品目の比較)
- 売掛金台帳と入金記録の突合(未回収の発見)
- 在庫データと実地棚卸の突合(差異の調査)
イメージで理解する
- 照合 = 「これは正しいか?」(Yes/No)
- 突合 = 「どこが違うか?」(差異分析)
突合と消込の違い
経理業務でよく使われる「消込(けしこみ)」との違いも整理しておきましょう。
| 用語 | 意味 | 結果 | フェーズ |
|---|---|---|---|
| 突合 | 2つのデータを比較する | 一致/不一致の判定 | 比較 |
| 消込 | 一致したデータを処理済みにする | 残高の減少 | 処理 |
流れ:
- 請求データと入金データを突合する
- 一致した分を消込する
- 未消込分が残高として残る
突合は「比較」、消込は「処理」と覚えましょう。
突合と名寄せの違い
「名寄せ(なよせ)」も関連する用語です。
| 用語 | 意味 | 目的 | ユースケース |
|---|---|---|---|
| 突合 | 異なるソースのデータを比較 | 差異の発見 | 監査・経理 |
| 名寄せ | 同一人物・同一企業のデータを統合 | データ統合 | マーケティング |
名寄せの例:
- 「株式会社ABC」と「(株)ABC」を同一企業として統合
- 「山田太郎」と「ヤマダタロウ」を同一人物として統合
名寄せは突合の前処理として行われることが多いです。
業界別:突合の使い方
経理・会計での突合
経理担当者が毎月行う代表的な突合作業:
1. 売掛金の突合
- 売上台帳と請求書発行履歴を突き合わせ
- 未回収がないか確認
2. 買掛金の突合
- 仕入台帳と請求書を突き合わせ
- 支払い漏れがないか確認
3. 銀行残高の突合
- 通帳残高と帳簿残高を突き合わせ
- 差異があれば原因を調査
監査での突合
監査法人からの依頼で行う突合作業:
1. 証憑突合(しょうひょうとつごう)
- 見積書、領収書、注文書などの証憑と会計帳簿を突き合わせ
- 取引の実在性や帳簿記入の正確性を確認
2. 帳簿突合(ちょうぼとつごう)
- 異なる会計帳簿同士を比較
- 記入の正確性を検証
3. 勘定突合(かんじょうとつごう)
- 各勘定科目の残高が正しいかを確認
- 銀行の残高証明書や固定資産台帳と突き合わせ
医療分野での突合
医療分野では「突合点検」という用語がよく使われます。
- 医科レセプトと調剤レセプトの突合点検
- 処方された薬と調剤された薬が一致しているか確認
- 保険請求の不正を防ぐために実施
IT分野での突合
IT・システム開発でも突合は重要な作業です。
- データベース間のデータ突合
- マスターデータの整合性確認
- システム移行時の検証
突合作業の課題
課題1:時間がかかる
100件の請求書を手作業で突合すると:
- 1件5分 × 100件 = 500分(8時間以上)
月末に集中すると、残業が常態化します。
課題2:ミスが発生しやすい
目視確認の精度は、作業時間が長くなるほど低下。
- 集中力の低下による見落とし
- 表記揺れによる誤判定
- 転記ミス
課題3:属人化しやすい
「この人しかできない」状態になりがち。
- 担当者の退職でナレッジが失われる
- 引き継ぎに時間がかかる
- 業務がブラックボックス化
突合作業を効率化する方法
方法1:Excelでの突合
VLOOKUPやMATCH関数を使ってデータを照合。
メリット:導入コストゼロ デメリット:表記揺れに弱い、属人化しやすい
方法2:RPAでの自動化
定型作業をロボットで自動化。
メリット:24時間稼働可能 デメリット:初期設定が複雑、フォーマット変更に弱い
方法3:AI突合ツール
AIを使った突合ツールなら、PDFやメールからデータを自動抽出し、差異を自動検出。
メリット:表記揺れに強い、設定不要 デメリット:ランニングコスト
よくある質問(FAQ)
Q. 「突合」は敬語として使える?
A. 「突合」自体は敬語ではありませんが、フォーマルな表現です。「突合いたします」「突合させていただきます」のように敬語表現と組み合わせて使用します。
Q. 「突合」の英語は?
A. “reconciliation” または “matching” が一般的です。
| 日本語 | 英語 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 突合 | reconciliation / matching | 照合・突き合わせ |
| 照合 | verification / cross-check | 検証・確認 |
| 消込 | clearing / write-off | 処理済みにする |
Q. 「突合」は造語?
A. いいえ。漢語として古くから存在する言葉です。ただし、経理・監査分野で特に多用されるようになったのは比較的最近です。
Q. 「突合確認」と「突合チェック」の違いは?
A. 同じ意味です。どちらも「突き合わせて確認する」という意味で使われます。
Q. 突合結果の報告書はどう書く?
A. 以下の項目を含めると良いでしょう:
- 突合対象の概要
- 突合方法
- 結果(一致/不一致の件数)
- 差異の内容と原因
- 対応策
Q. 突合作業を効率化するコツは?
A. 以下がポイントです:
- データフォーマットを統一する
- キー項目を事前に決める
- 差異発生パターンを把握する
- ツールを活用する
Q. 突合と棚卸の違いは?
A. 棚卸は在庫の数量を実際に数える作業、突合は帳簿と実際のデータを比較する作業です。棚卸結果と帳簿を突合することもあります。
Q. 突合を自動化するメリットは?
A. 主なメリットは以下の通りです:
- 作業時間を90%削減
- ヒューマンエラーの防止
- 属人化の解消
- 監査対応の効率化
まとめ
- 突合の読み方は「とつごう」
- 「突き合わせ」と同じ意味で、よりフォーマルな表現
- 照合は正誤判定、突合は差異分析
- 経理・監査・医療・ITなど幅広い分野で使われる
- 手作業での突合は時間がかかり、ミスも起きやすい
- AI突合ツールで効率化が可能